それはなんて、残酷な愛。
哀しみを産み落とした
四年ぶりに会った少年だった彼は、いつの間にか青年になっていた。 背が伸び、顔立ちがすっきりし、さすがにもう、子どもには見られないほどの外見だった。 何より変わったのは、その中身だ。 少年だった彼は常に無口で、何を考えているかわからない。 その癖、やたらに問題を引き起こしては、統率を欠こうとしていた。 正直、好きではなかった。 それがどうだ。 四年経ってみれば、よくしゃべる、何を考えているかわかる。(無表情は、相変わらずだったが) 何より、気づけば自ら率先して、クルーをまとめあげていた。 「彼」が、いたのだ、彼の中に。 刹那の中で、それが無意識的なものかどうかは、わからなかった。 けれど、確かに「彼」はそこに植えつけられていた。 そしてそんな彼を見て、自らもそうであることに、気づかされた。 あぁロックオン。 散々甘やかし、やさしさを与え、依存させ、そうして自ら離れるなんて。 そんなもの、恨むよりも憎むよりも、ずっとずっと残酷だ。 貴方はこれを望んでいたのか? いなくなっても尚、貴方が縛り付けた鎖ががんじがらめに僕らを囲う。 それはなんて、 08.12.30 title by=テオ |